- 技術はあるのに集客がうまくいかない…
- 広告をだしてもお客様がこない
- 競合がいて新規顧客がとれない…
- 費用対効果が良い集客方法を探している
- 開業したいが、どの集客方法をすればいいのかわからない…
整体院、整骨院、治療院、サロンの経営をしていると、集客の壁にぶつかることが多々あります。
そこで、この記事では
- 失敗しない新規集客のために抑えるポイント
- 集客ツールごとのメリットとデメリット
- いま本当にやるべき集客方法
を実際の効果と、費用感の目安も合わせてご紹介します。
※真面目に書いたので1万字にもなってしまいました。ブックマークしてゆっくり見ていただけると幸いです。
この記事の目次
前提:集客で大事な2つのこと
店舗の集客において絶対に外せない重要なことがあります。それは次の2つです。
- お客様に選ばれるサービスであること
- 適切な集客方法をしていること
これらができていなければ、どんなに施術がうまくても、集客できません。成功している経営者は皆、必ず考えています。
では、なぜこれらが重要なのでしょうか?
現在、整体院や整骨院、治療院、サロンなどの数はコンビニをはるかに超える状況です。地域によっては、ライバル院が増えすぎる、つまり需要に対して供給が多くなってしまい、価格競争が激しくなっているところも存在しています。
こうした状況では、いかにあなたのサービスが優れていても、お客様にとっては全て同じようなもの。結局、どの院を選んでよいかわからず、単に「安いから」「近いから」という理由で通ってしまうことも少なくありません。
そこで、お客様にとってのメリットがわかりやすいように
- ◯◯駅 口コミ No.1
- 肩こり専門
- 子連れOK
と、サービスが選ぶ理由を明確にしてあげると、一度も来店されていない新規のお客様も自然と選んでくれるようになっていきます。
まず「選ばれるための差別化ポイント」をつくるのが、集客で1つめに大事なことなのです。
そして次に、そうした選ばれるサービスを提供したとしても、誰も知らない状態では、当然、集客はできません。
もちろん、技術や腕が良くて紹介で、少しずつ広まることもありますが、あっても月に数件程度。同じ店舗型の飲食店のように口コミで爆発的にお客様がくることはほぼありません。
つまり、整体院や整骨院、治療院、サロンの集客においては、見込み顧客に自分たちのサービスを知らせる活動を継続的に行わなければ、お客様が安定してくることはないのです。
集客にはお金や労力がかかりますから、費用対効果を重視しなくてはいけません。だから、2つめに大事なのは継続的に「適切な集客方法」を行うことなのです。
効果的な集客をするためには
- 競合との差別化ポイントには何があるのか?
- 1つ1つの集客方法のメリット・デメリット
を知り、今やるべき施策を行う必要があります。それでは、順に解説していきます。
選ばれるための差別化ポイント
どの地域にも通用する絶対的な強みというものはありません。自分の商圏内で、競合と比べて、相対的に選ばれる理由を決める必要があります。
これがいわゆるポジショニング戦略です。まずは競合のリサーチを徹底して行い、強みを見つけましょう。
市場をよく見てみると、選ばれる強み(差別化ポイント)となりやすい要素をまとめると、次のようなものです。
サービス内容
腰痛に悩む人は普通の「整体院」よりも「腰痛専門 整体院」に興味をひかれます。つまり、腰痛、膝痛、肩こり、頭痛などの専門領域を設けて、ターゲットを絞ることです。
逆に、専業が多くなれば全部できることも強みになります。
立地条件
駅チカ、駐車場有りなど。言うまでもないですね。
価格帯
新規集客において、初回割引などの割引きも競合がやっていなければ、強みになります。
つい料金は下げてしまいがちですが、値下げは経営的に首を締めることになりがちですので注意が必要です。
CPAやCPO、LTVなどをしっかり加味した上で施策を打ちましょう。
CPA(Cost per Acquisition)
1件の問い合わせの獲得にかかった費用
CPO(Cost per Order)
1件の来院の獲得にかかった費用
LTV(Life Time Value)
一人あたりの総売上
営業時間
お客様が通いやすい、夜の時間帯も営業するなど。
設備
スポーツ特化の場合は、治療用に特殊な機器があれば強みになります。子供が遊べる施設もあると、子連れも行きやすいですね。
スタッフの有無
個人院などは、院長が施術をするのも強みになります。
スタッフがいる場合は、全員が笑顔で写っている写真なんかをみると好感を得やすいです。
口コミ
技術やサービスの質はどうか?を口コミをみて裏付ける人はかなり多いです。特に女性はよく見ます。書いてもらって数・内容を充実させると強みになるでしょう。
これらの全項目を頑張るものもちろん良いですが、なかなか難しいところもあります。あくまで「競合に対して、どこを強みとしているか?」を考えることが重要です。
お客様から選ばれる強みができれば、次はそれを知ってもらうための施策を打っていきます。では、どんな集客方法があるのかを見ていきましょう。
集客方法・ツールの種類
集客方法や集客ツールはたくさんあります。そこで、リアル集客(オフライン集客)と、WEB対策(オンライン集客)にわけてみていきましょう。
リアル集客(オフライン)
紹介
ポスティング
折込チラシ
看板広告
TV・雑誌・フリーペーパー
DM・電話・メールなど
WEB集客(オンライン)
Googleマイビジネス(MEO)
MEO(Map Engine Optimization)
地図アプリ(主にGoogleマップ)で検索をかけた際に表示される一覧で、上位表示を目指して行う一連の最適化施策。
GoogleマップやGoogle検索で「〇〇駅 整体院」などで検索すると出てくる機能で、無料で誰でも利用できる集客ツールです。資金があまりない、独立開業時には必須でしょう。
まず基本のビジネス情報を整えてあげます。その後は定期的に「投稿」で情報を発信します。加えて、口コミを書いてもらったり、口コミに返信してあげると評価されて、MEO(Googleマップの検索)で上位に上がる傾向にあるようです。
しかし、実はそれだけではなく、その他のWEB対策(ホームページ集客)と合わせて効果を発揮することがあります。
意外と軽視されがちなGoogleマイビジネスですが、WEB対策の中でもこれだけは絶対にやったほうが良い対策です。外注しても良いですが、頑張れば独学で十分やれる対策です。
GoogleマイビジネスやMEO対策の基本と運用方法はこちらにまとめています。
ホームページ(SEO)
SEO(Search Engine Optimization)
Chromeなどのブラウザ検索をかけた際に表示される一覧で、上位表示を目指して行う一連の最適化施策。
ホームページで、サービスをWEB検索経由で周知する方法です。
ホームページは初期投資が80〜130万円単位でかかり、検索上位に上がるまでにおおよそ数ヶ月単位で時間がかかります。ただし、しっかり対策すれば着実に上位に上がり、一度問い合わせが取れるようになれば、定期的にくるようになります。同じようにSEO対策を行う競合が現れてこなければ、集客が安定してきます。
SEO対策というと、Googleのアルゴリズムアップデートによって「それまで1位だったのに、急に順位が落ちてしまった」ということも少なくありません。
でも実は、整体院・整骨院・治療院・サロンの業界だと、きちんとホームページ制作していれば、Googleアルゴリズムアップデートの影響はあまり受けません。影響を受けるのは、コンテンツの質が低いアフィリエイトブログがほとんどです。
一方で、ホームページ内で、ブログも更新されている場合は注意しましょう。品質の低いブログ記事を投稿していると、順位が下がりかねないからです。さらに、SEOの知識がない素人が記事の更新しても、どうしても検索上位に上がりにくいという問題も生じてしまいます。もし、ホームページを制作して、順位がなかなか上がってこない場合は、信頼できるプロに任せたほうが、労力も含めた費用対効果は良くなります。
web広告(PPC・リスティング)
PPC(Pay Per Click)
クリック課金制のこと。PPC広告はクリック課金制の広告を指す。
リスティング広告
GoogleやYahoo!の検索結果に表示される広告のこと。クリック課金制なので、PPC広告の一種。PPC広告=リスティング広告ではないので注意。
Web広告の中でも、顕在層にアプローチできるリスティング広告(PPC広告の一種)の話をします。それ以外のWeb広告は、潜在層にアプローチする場合が多く、費用対効果的にやらないほうがいいことがほとんどだからです。
Web広告では、広告用に特化したページ(ランディングページ、LP)を制作して、それを使用して広告を出します。ホームページとは役割が違うため、別で制作しましょう。
それでは、リスティング広告に話を移します。リスティング広告は「◯◯駅 腰痛」などで検索して調べている人に広告を出します。目的をもって調べているわけですから、需要が顕在化している層にアプローチできるという特徴があります。
広告費をかけると、すぐに問い合わせにつながり、すぐに売上がたつので、開業当初から活用できる集客方法です。また、検索をするほど悩みが深いため、LTVが高いのお客様の獲得も目指せます。
しかし、デメリットとして、獲得単価を下げるといった改善には、少しずつ変えてテストをしていく必要があります。そのため、月に数万円単位で定期的に広告費をかけたほうが運用としては適切になってきます。
つまり「いくら広告費をかけて、どれだけ問い合わせがとれたか?(=費用対効果)」を意識して改善、運用が大事になのです。
それには、問い合わせを起こしやすい広告用ページ(ランディングページ、LP)に改善していくことが何より重要となってきます。
自作ページでも集客は可能ですが、広告費をかけて問い合わせをとっていくことになるので、費用対効果の面では業者に任せたほうが良くなることがほとんどです。
なぜなら、成果の良い広告用ページ(ランディングページ、LP)であれば、仮に30万〜50円程度の制作費用をかけても、同じ金額の広告費をかけた際にくる問い合わせ数が違うので、ページ制作費用の元はすぐに回収できるからです。
リスティング広告では、成果の良い広告用ページ(ランディングページ、LP)以外にも、ターゲティングなどの運用面が重要となってきます。こちらも常に業界知識はアップデートされるので、運用もプロに任せましょう。
エキテン
エキテンは整体業界では誰もが知る集客ツールです。公式には詳細は公開されていませんが、実際にエキテンを利用している店舗の声などを分析してみると、無料プランと有料プランがあるそうです。
無料会員 | 正会員 | ゴールド | プラチナ |
無料 | 5,000円/月 | 15,000円/月 | 30,000円/月 |
調べた情報をまとめていますが、あくまで目安として、気になる方は問い合わせてみてください。
無料でできること
- エキテン内に簡易的な店舗ページを作れる
- 問い合わせフォームからメールサポート
- アクセス解析機能
- 口コミ促進ツールの利用
有料でできること
- エキテン内の検索結果で上位に表示できる
- エキテン内に詳細な店舗ページを作れる(他社広告なし)
- 担当Webコンサルタントによるサポート
- 詳細なアクセス解析機能
有料の大きな違いは、上位掲載されるかどうか。お金をかければかけるほど、上位に表示されるんですね。
たとえば正会員であれば、月に数件問い合わせあれば、全然割りにあう価格設定なので、登録しておいて損はないかと思います。上位プランは各院でアップグレードしたときのデータ分析をして判断するのがおすすめです。
ホットペッパービューティー
ホットペッパービューティーも公式には詳細は公開されていませんので、詳細は問い合わせてみてください。
費用 | 課金モデル |
約7万~数十万円 | 月額固定型 |
金額の差は、上位掲載されるかどうか。オークション形式なので、競合が多ければ費用対効果が悪くなってしまうので、注意が必要です。
実際に利用した方の話を何人かきいたところ、気になってくるのはLTVだそうです。利用したいるユーザーの層が20-30代の若い層が多いということもありますが、1回しかこないお客様の割合が多く、リピートにはつながらない場合も少なくないそう。
ただし、問い合わせ自体はくるそうですので、提供するサービス内容やオペレーションによっては、むしろ効率よく集客できる可能性があります。
楽天ビューティ
他サイトと異なり、月額固定費用は0円。追加で細かい経費はかかりますが、独立したてで、駆け出し店舗の場合はかなり助かります。
費用 | 課金モデル |
電話予約 :1000円/件 ネット予約:施術料の15%/件 | 成果報酬型 |
リピートの場合も成果報酬で費用が発生してしまうのが難点。店舗が軌道にのってきて、予約枠が埋まってくる頃に、この報酬が発生してしまうと、なかなか利益が出にくいということも考えられるので、注意が必要です。
EPARK
電話・ネット予約で同じ金額です。別途、上位表示のためのオプションもあります。
費用 | 課金モデル |
2500円/件 | 成果報酬型 |
1件あたりの費用では楽天ビューティーに比べて、割高にみえます。
しかし、リピートといったLTVなども加味すると、どちらが良いかは状況によって変わるかと思います。データ分析して、選んでいきたいところです。
ヘルモア
ヘルモアは治療院やサロンに特化した口コミサイト。
費用 | 課金モデル |
5,000円 | 月額固定型 |
「全国にある治療院やサロンを紹介した業界最大級の口コミサイト」ということなので、ユーザー層も他のサイトとは違ってきます。
ただし、媒体として広告を打ったり、検索上位に上がっているわけでもないので、効果は地域や院ごとに変わってくるかと思います。実際に試してみて判断するのが良さそうです。
SNS・ブログ
店舗型のビジネスでは、その地域・商圏にいる人に対してアプローチしなければ、意味がありません。その観点で、SNSやブログは全国に発信をするため、労力に対してなかなか結果が出にくい施策です。集客ツールとしては、あまり優れていません。
効果が期待できるのは、ホームページにブログ機能がついている場合で、定期的に良質なコンテンツが投稿できれば、SEOで上位に上げることも可能です。
Youtube
Youtubeも同様ですが、動画コンテンツ作成に時間と労力がかかる分、大変です。もしYoutubeで集客できた人がいたとしても、勝つ人は一握りです。費用対効果の観点から、全国を対象に売れる商材をもっていないかぎり、やめておいたほうが良いでしょう。
対策すべき順番は?
今の状況や目指す方向によって、やったほうが良い施策は変わってきます。問い合わせ数をとにかく増やしたいのであれば、ホットペッパービューティーで広告費を多めにかけるのもアリでしょう。
独立開業当初であれば、楽天ビューティやEPARKといった成果報酬型、無料から始められるエキテンやGoogleマイビジネスでMEO対策は、費用も抑えられて有効です。
悩みの深い、LTVの高い層を獲得して、売上を伸ばしていくなら、広告用ページ(ランディングページ、LP)制作をして、リスティング広告(PPC広告の一種)を始めましょう。
なにより、その他のWEB対策との相乗効果もあるので、費用はかさみますが、なるべく早い段階でホームページをもっておきたいところです。
どうやって業者を選ぶか?
リスティング広告やホームページ制作を広告代理店や制作業者に任せる場合には、良いパートナーを選ぶのが重要です。たとえ知り合いの紹介でも、よく調べずに頼んでみるとダメだったという話はよく聞きます。事前にしっかり知識を身につけ、失敗しない業者選びをしましょう。